メールマガジン「基礎から学ぶ民法 第18号」

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★平成18年9月14日(日) 基礎から学ぶ民法 第18号

◆◇◆目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆◆◇◆
1.本日の民法の問題(民法総則…条件と期限)

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1.本日の民法の問題(民法総則…条件と期限)

■問題

次の文章中の(1)から(5)までの部分に,「条件」及び「期限」のうちから適切
なものを選んで入れた場合の組合せとして正しいものは,1から5までのうちどれ
か。
 「条件と期限の区別は,必ずしも容易ではない。例えば,金銘貸借に付された
『成功した暁に支払う』といういわゆる出世払約款は,出世しなければ払わなく
てもよいという意味ならば,(1)であり,もし,出世すれば払うが,それまでは
ただ支払いを延ばしているだけで,出世しないことに確定すればやはり支払う,
というのであれば,(2)である。
 判例は,出世払約款を(3)と解するものが多い。常識的には(4)と解するほう
が合理的なようであり,とくに親子,友人間などではそうであろう。しかし,判
例に現れるケースでは,当事者間の公平,信義誠実の原則などから考えて,返済
させるのが妥当な事情のものが多いので,(5)と判定した判例が多くなっている
ものと思われる。もしこれが『成功した暁には,金銭を贈与する』という契約の
場合なら,(6)と解すべき場合が多いであろう。


1  (1)条件(2)期限(3)期限(4)条件 (5)期限(6)条件

2 (1)期限(2)条件(3)条件(4)期限(5)条件(6)条件

3 (1)条件(2)期限(3)条件(4)期限 (5)条件(6)期限

4 (1)期限(2)条件(3)期限(4)期限 (5)期限(6)条件

5 (1)条件(2)期限(3)期限(4)条件 (5)期限(6)期限


















































■正解…1

★条件・期限の基礎知識

 ・法律行為の効力の発生または消滅を、発生が不確実な事実にかからせる法律
行為の付随的な内容(付款)のことを『条件』といいます。
 効力の発生がかかる条件を停止条件、効力の消滅がかかる条件を解除条件とい
います。

 不確実な事実が発生することを、条件の成就といいます。停止条件が成就した
場合は、法律行為の効力は、その時点から生じます。(127条1項)。解除条
件が成就した場合は、法律行為の効力は、その時点で消滅します。(127条2
項)。


 ・法律行為の効力の発生・消滅、または、債務の履行を、将来発生することが
確実な事実の発生にかからしめる法律行為の付随的な内容(付款)のことを『期
限』といいます。
 法律行為の効力の発生などがかかる事実の発生時期が、あらかじめ確定してい
るものを確定期限、あらかじめ確定していないものを不確定期限といいます。

 期限が未到来である状態によって利益を受けることを、期限の利益といいます。
債務者に期限の利益があると推定されます(136条1項)。
 期限の利益を受ける者は、自らの意思表示で、期限を到来させることができ、
これを『期限の利益の放棄』といいます(136条1項)。
 債務者に一定の事情があると、債務者は、期限の利益を失い、これを『期限の
利益の喪失』といいます(137条)。
 
 ・条件と期限を区別は,その成否の確実性です。成否が不確実な場合が条件,
成否が確実な場合が期限です。


★解説

(1)出世払約款の意味が,「出世しなければ払わなくてもよい」というものであ
るのなら,出世しないままであれば支払う必要はないことになります。それゆえ,
成功した暁に「支払う」という意思表示の効力の発生は不確実といえるので,
「条件」が入ります。

(2)出世払約款の意味が,「出世すれば払うが,それまではただ支払いを延ばし
ているだけで,出世しないことに確定すればやはり支払う」というものであるの
なら,実際に出世した場合だけでなく,出世しないことが確定した場合でも,結
局支払うことになります。つまり,「支払う」という意思表示の効力は,いずれ
にせよ発生するわけで,その成否は確実といえます。よって「期限」が入ります。

(3)出世払いを不確定期限と解した判例が多いという知識があれば,「期限」と
わかります。
 
(4)親子等の間では貸すといって渡してもそのお金の返済が他人同士とは異なり
なし崩しになってしまうことが多いでしょう。よって、「条件」となります。

(5)当事者間の公平や信義誠実の原則から考えると,他人同士ではお金を借りた
ら,これを返すべきでしょう。そこで、判例は「期限」と解するものが多いので
す。

(6)『成功した暁には,金銭を贈与する』という贈与契約であれば、条件と解し
ても不都合はありません。

 以上,順に条件,期限,期限,条件,期限,条件と入り,1が正解です。

 
★参照条文

(条件が成就した場合の効果)
第百二十七条 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生
ずる。
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる
意思を表示したときは、その意思に従う。

(条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止)
第百二十八条 条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条
件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができ
ない。

(条件の成否未定の間における権利の処分等)
第百二十九条 条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の
規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供するこ
とができる。

(条件の成就の妨害)
第百三十条 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条
件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことがで
きる。

(既成条件)
第百三十一条 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件
が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件である
ときはその法律行為は無効とする。
2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、そ
の条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件で
あるときはその法律行為は無条件とする。
3 前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しな
かったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。

(不法条件)
第百三十二条 不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしな
いことを条件とするものも、同様とする。

(不能条件)
第百三十三条 不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。
2 不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする。

(随意条件)
第百三十四条 停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係る
ときは、無効とする。

(期限の到来の効果)
第百三十五条 法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が
到来するまで、これを請求することができない。
2 法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時
に消滅する。

(期限の利益及びその放棄)
第百三十六条 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
2 期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益
を害することはできない。

(期限の利益の喪失)
第百三十七条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することがで
きない。
 一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
 二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
 三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。



★参照判例

○出世払い債務につき、期恨が未到来であるとした事例(東京地裁平8・10・31判
決)

○出世の時履行すべき旨を定めた債務が、停止条件付債務でなく、不確定期限付
債務であると認められた事例。(大判大4・3・24民録21-439)


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